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『白い人』

遠藤周作がただただ心に馴染む。

先日『沈黙』を読んだ。とても、とても良かった。この本をとても良いと言うのは人としてどうかと思うのだが、何が良いのか。

人は弱くて醜い。教えに縋って目を背けても、他者を蔑むとき、情欲に流されるとき、その醜さが露わになる。

そんな面と、構成が面白い面。詳しくはブックメーターに書いたので良ければ是非〜。


で。

今日は『白い人』を読んだ。短いが、遠藤周作はこの作品で芥川賞を取っている。
(そしてその頃生まれた子どもに龍之介と名付けている。そしてその龍之介さんは今フジテレビの社長だそうだ。なんだ突然俗っぽくて雰囲気が壊れる現実であると思う)

カトリックの教えで育てられた反動で、ひたすら悪に走る主人公。ひでーやつで、そこが良い。
彼も、彼と関わる二人の男女も、容姿にコンプレックスがあり、……うーん。そこじゃないか、いや、うーん。

遠藤周作はホント女性の白い太腿が好きだと思う。
露骨過ぎる性描写を避ける上で一番活躍するのが肌の白さと太腿のお肉なんだろうけど(乳房……おっぱいは、痩せて平坦なことで貧しさ乏しさを表現するのに使われる感)。


初期の作品だなぁと思わされる。
この作品の主人公、が一登場人物として『海と毒薬』に出てきても違和感は無いと思う。


教えに縋って、死んでいく人。
教えに抗って、虚しさを抱く人。

英雄として死にたい、という醜さ。


うーん。良い。
あと、変態。えーと、サドの影響は実際ある、のか、作者についてもまた読もうか。

カトリックに苦しむ日本人、としての作者の視点。

引き続きちょこちょこ読んでいきたい。
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『虎よ、虎よ!』

思えば、ブックメーターを使うようになってから、ブログに本の感想を書くのを忘れるようになった。

だが、ブックメーターには一応文字数制限もあり、またそこそこ人の目にも触れる場な為、大分推敲して書くことになる。剪定されるセンテンスも多い(駄洒落)。


なので、今まさに読み終えたSF『虎よ、虎よ!』の感想を、思い出しながら書いていくことはもっとも的確な行いなのである。

因みに、
・本編を読み終える
・まず感想を書き出してみる
・あとがきを読む(これが2番目にきてもよい)
・ネットなどで解説を読む
・ネットなどで他の人の感想を読む
こんな流れがある程度定着している。
とりあえず、答え合わせのごとき情報を得る前に、一回まっさらな感想を書くのは大事だ。他の知恵が入ると引き摺られてしまうのだ。



なわけで。

面白かった。野蛮。とにかく野蛮で、スピーディー。
『巌窟王』を知らないけども。ガリーのこれは、結構逆恨みで、でも彼の野蛮さがそこをすっきりぐいぐいやってくれる。

テレポーテーションが一般化した世界とはどんなものか?能力のルールとは?
物語の背景にある謎の物質や宇宙戦争については正直掴みきれてない気がするが、これぞSFという、ハチャメチャな未来。でもどこか進歩の無い、格差は在る、そんな人類。

勿体ぶらずにガンガン明るみに出る謎と真相。そんなことが!?彼女が!?なんて物を!?お前すげぇな!?
主人公はルールを逸脱した超人故に主人公。多分相対性理論みたいなやつ。光速超える感じ。
そして行く先々で女と出会い、大体愛し合ってる。ラブシーンを具体的には書かないところがまた一つSFらしいと思う、そこは掘り下げないというか。
オリヴィアとの出会いというか、運命みたいなものは、一番話の上で都合が良い流れだと思うけど、そこんとこは巌窟王なのかなぁ。全然オーケーですが。



頭痛巻き起こしてもあれなのでここで区切り。
しっかりと楽しませてもらった。まぁまぁなボリュームの小説、SFを読み切る満足感は良い。
とりま、解説読みに行こう。

『小説の神様』

久々に小説を読了。自分で選んだ本ながら、しんどかった。


相沢沙呼先生の『小説の神様』。ラノベです。文科系ボーイミーツガール。以下内容に触れます。






ちなみに、読んだ理由は、同著者の『medium』がそれなりにインパクトがあり、他もいつか読もうと思ってたから。そしてこの作品は、小説を愛する人向けみたいな触れ込みあり、映画化するある種の話題性もありで。





【パズル?パズルなのか?】

しんどかった。
どーしたものか。

若い若過ぎる小説家の苦悩が沢山描かれる、こじらせた少年の、ひたすら、自分も周りも傷つける。ただし、周りは人格者で固められてるので、安心して成長できる親切設計。


ベタなんですよね、登場人物も、展開も。
で。
それを悪く言うのはちょっと違うんだけど。
ただあまりにも露骨。

問題提起したいのかな?って。

・才能はあるけど波に乗れず自虐的な主人公
・その超絶理解者でクールで頼りになる親友
(↑彼がめちゃくちゃ便利に動く)

・病弱だけど気丈な妹、手術を控える、本好き
・売れない小説家だった父は既に他界
(↑でも結局、息子にもヒロインにも大きく影響を与えてた超偉人)

・才色兼備のヒロイン、どこか周りから浮いてるところもあるが主人公に絆されていく
(↑彼女にも秘密の悩み弱みがあるがそれが一切捻らない)

・担当編集のお姉さんはただただ優しく、しかし優秀ではなさそう
(対比として冷たく淡白な元編集も適当に出てくる)

・後輩の大人しい女の子は主人公を只管崇拝している


でだ。

もう、数式なのかなと。或いはパズルか。
ライトノベルで、文芸部で、ボーイミーツガールで。
だからこれとこれとこの記号を組み合わせて、こう壁にぶつけて、こう乗り越える。完成!みたいな。
あとは文章で勝負!漆黒の双眸!雨濡れ艶肌!

で。
「読み手は勝手な批評ばかりする。こっちは命賭けてるのに!世の中ってやつは!!だったらお前も書いてみなよ(笑)」
っていうことなのか…??とまで思わせる。そんな意図は、なかろうが。

でもこれでよかったのか?面白い、のか?
著者については、女の子を書き出すのに定評があるらしく、言わんとしてることはわかるけど、うーむ(それは個人の好みだから自分はコテコテ過ぎてつらいなとだけ思う)。


小説家が描く小説家像、出版界観。
ウェブ小説はお気楽で低レベルで目の敵…?



(ふと思い出したけど、復讐のラブレターは好きだった)

(あと、あの人のファンが、私を攻撃するのがつらい、というのもよかった)

(→そういう意味では、人間の暗く攻撃的なところが、生生しくて好きなのかな俺は)
(もっと遠藤周作読むべきか)



奇を衒わす、考えすぎず自然な筆致、なのかな。ラノベ然としたものを、相沢流に一気に。
わからない。



一先ず落ち着いて。
書きたい、と思う心で読めば、示唆も多く、また違う味わいとも思う。
(売れること、売れること、金、金、金、っていう主人公は過剰に思春期だなとしか、思えないが…)

伝えたいこと、伝えたい物語、テーマ、なんのために。
つらくても筆が乗らなくても書き続ける、それこそが小説家、という、矜持というか、醍醐味というか。憧れさせるものはあると思う。



主人公は若くて若くて若いので、金金うるさいが、結局自身が読み手として心を動かされたことはないのか?父がどうこうは置いといて、目標や憧れの作家はいないのか?
あとバイトはどこで?コワーキングスペースではないよね?

なんかこう、余分なことを描かないのだろうけど、主人公が非常に薄く感じて、あとちょっと躁鬱過ぎるかな、でもそれは高校生だからOKだと思う。全部それで片付く。



う〜〜〜ん、数式、パズルなのかなぁ。

俺は苦しいです。理屈じゃないのかも知れない、でもやっぱ、この作品は、…作り込まれていない?気がした。パーツを、組み合わせただけ。そこに文のスパイスがあれば、ハイ完成。ちょっとメタなお皿に載せて。
苦しい。俺は違うと思う。本気か、本気で面白いものを書いたのか?納得しているのか?キャラクターと、シリーズ化、そういうシゴトなのか?
苦しい。悪く扱き下ろして悦に浸りたいんじゃないのよ、分からんのよ、意図があるのかないのか。読む力が足りないだけ?ほならお前が書いてみろで終わりなのか????



この苦しみの経験にこそ価値があったのか。

あとでまた、冷静になって振り返ってみたい。かも。

『1%の努力』

ひろゆき著『1%の努力』を読んだ。


理由。
ちょいちょい共感するところが多い人物なので、生い立ちや考え方が知りたかった。
(共感について分かりやすく言えば、貧乏なら生活保護で暮せばいいじゃん、とか)


読み終えて。
十分面白かった。ただ、半分くらいは薄味で、理由は俺が老けたからだと思う。

対象は、20代くらいのサラリーマンなんだろうなと感じた。だから、「仕事と適性」の話が非常に多い。例えば、仕事を3つのタイプに分ける話。
【0から1を生む】
【1を10にしていく】
【10を維持しながら11、12と積み上げていく】

或いは、夏休みの宿題を例に、自分のタイプを考える話。
【コツコツ進める、早めに終わらす】
【やりたいものだけ時間をかける】
【ギリギリになってから一気に片付ける】
とか。
(やらずに有耶無耶にする、が無くて物足りなかった。それでいいんだけど)

その辺は改めて考えると面白いし、大事なんだけど、新鮮さはない。

そして、Googleの例なども引き、能力云々よりも雰囲気を良くする「いい人」の価値の話があり、こういうのは若い人に刺さるだろうなとか思った。

存在し得るポジションを知り、自分の適性を見極めて、チャンスを逃さない。大事だと思う。

新鮮さはないがそれらを踏まえた上で、
「うまくやってる成功した人」としての著者が、何故成功してるかの、運を除いた「1%の努力」が何なのかを見るとシンプルで面白い。

・好きなことでのインプットが膨大
・言いづらい必要なことを言える
(間違えたら素直に謝れる)
・現場と管理と経営それぞれの…

やっぱありがちだな。

ただインプットは基本にして最重要。そう考えると、好きで打ち込めることってなんだろうと考えてしまう人間はやりづらいものだ。


ーーーーーーー

ここからやっと、面白かった部分について書く。

一番よかったのはやはり生い立ち、赤羽の団地の思い出だ。

「みんな貧乏だけど、楽しくうまくやっている、やっていける」

という視点。
とても大事だし、そういうゆるいサバイバルが人生の楽しみだと俺は思う。
(その辺の現代のサバイバルを読みたかった。ので、どことなく会社でのサバイバル方面に行く後半が物足りなかった、のかな)

「ここまで落ちたらヤバい」のラインが、高過ぎる人が正直多い。内定取り消されて自死してしまう、会社がつらいが辞められず病んでしまう。

本の中では、やや過剰なんだが、人はやさしく助け合えるもんだと書いてある。世の中は、変な克己心、競争心、或いは相互監視みたいなものを偏重してる気がする。感染症騒動の中で、自粛要請や給付基準の話題にはその辺が付き纏っている。
お互い楽にうまくやれるように、助け合う…というか、無駄なく分け合うことができたらいいのになと思う。
(ルームシェアが良い例だと思う。狭いスペースを分け合うことで沢山のリソースが浮く)


著者は中央大卒である。色々親近感。
ただ、学生で起業するところがやっぱりカッコいい。さらっと留学もしてるし。

当時の感覚で「5000万貯めて利息で暮らす」「寝たいから会社勤めは無理」この辺のビジョンが明確なのは強いなと思う。

色々なバイトでそれぞれから学びがあった話は、共感するし張り合いたくもなる。自分も思えば色々やったなと。
そういう意味では、さも成功者である体で自伝を書いてみたい気もした。



そこそこ楽しめた。悪くない本だと思う。
住む場所にパリを選んだ細かい理由は知りたいな。

愛は…

久しぶりに、水野敬也先生の本を読み返している。要はLOVE理論関連だ。


なんだろう。
好きなんだよね。理由は?
洞察や思考だと思う、人間に対する。
(人間≒男と女)

何故こうも深く、その洞察なり思考に対して感心するかといえば。

そんなもの必要ともせず一生を終える人が沢山いるからかも知れない。
ハウツー本をでいえば、そもそもが恵まれている人や、全く興味がない人、はたまた必要と知らぬまま終わる人。

それはどんな知識にもいえる。誰かにとっては無に等しい知識が、誰かの一生を決定付けるものかも知れない。
俺は数学も将棋も全然わからんが、それに一生を捧げる人もいる。



さて話を戻して。

男と女の恋愛。
或いは、人と人とのコミュニケーション。
これは、これですら遍くすべての人に必要ではないが、でもほぼすべての人生の中心にある。
男女のコミュニケーションの結果として人は生まれくる。


そういう意味で、どこか低俗に思える恋愛ハウツー本というものは、その実最もラディカルな知識を納めたものなのだと思う。
そうと気付かれずに、放置されるものでもあるのではないか。


まあ、だから好き。
知識に拠って変われるかといえば、わからない、難しい。
でも単に、出会えてよかった本、気付けてよかった洞察。
それはカケガエナイものなんだ。

愛は…
プロフィール

ヒゲ

Author:ヒゲ
ヒゲです。
概ねゆとり世代なのでゆとり世代カテゴリーで書いております。
矛盾を減らして暮らしていくのがモットー。
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